日本国籍の取得をお考えの方。
『日本国籍の取得は難しいの?』と疑問に思っていませんか。
日本は帰化が難しい国といわれています。
これから日本国籍を取得したい方は帰化の難易度を知っておきましょう!
そこでこの記事では日本への帰化が難しい理由を解説します。
この記事を読むことで帰化が難しい理由と帰化する方法がわかります。
結論として帰化が難しいのは『帰化の条件』を満たす必要がある。『帰化申請』が厄介の2点です。
日本は『帰化が最も難しい国TOP5』にランクインしている
米メディアの調査で『帰化が最も難しい国トップ5』が紹介されています。
- オーストリア
- ドイツ
- 日本
- スイス
- 米国
日本は帰化が難しい国の上位5位以内にランクインしています。
日本に帰化するのが難しい2つの理由
- 7つの帰化の条件を満たす
- 帰化申請が大変
次項で1つずつ解説していきます。
7つの帰化の条件を満たす
- 住居要件…5年以上日本に住んでいる
- 能力要件…20歳以上である
- 素行要件…真面目に生活している
- 生計要件…安定した収入を得ている
- 喪失要件…帰化したら母国の国籍を失う
- 思想要件…日本を破壊する意思を持っていない
- 日本語能力要件…日本語の読み・書き・会話ができる
≫参考:法務省のサイト【帰化の条件】
帰化するには上記の7つの条件すべてを満たす必要があります。
条件を1つ1つ見ていきましょう。
①住居要件
日本に5年以上住んでいる必要があります。
ただし、5年の間に、
- 1度の出国で3か月以上日本を離れた
- 1年間に150日以上日本を離れた
いずれかに該当すると期間がリセットされてしまいます。
その場合は再び1からカウントしなおさなければなりません。
長期間、日本を離れていると要件を満たさなくなる恐れがあります。
更に5年以上日本にいる間に仕事をしている期間が3年以上必要になります。
就労系の在留資格を持って3年以上の働いていればOKです。
②能力要件
帰化するには20歳以上であることが必要です。
加えて、母国の法律でも成人年齢に達していなければなりません。
しかし、未成年者であっても両親と同時に帰化申請することはできます。
- 成人年齢に達していれば単独で帰化できる
- 未成年者ではれば父親か母親のどちらかと一緒に申請すれば帰化できる
③素行要件
素行が善良とは簡単にいえば真面目な生活を送っているかです。
例えば、
- 税金・年金を納めている
- 過去に犯罪歴がない
- 重大な交通違反がない
- 他人に迷惑をかけていない
- 税金
税金を納めていることが必要です。
会社員は勤務先から引かれる場合が多いのでさほど問題はありません。
一方、個人事業主やフリーランスは自分で納税しなければならないので注意が必要です。
- 年金
年金も納めていることが必要です。
会社員は勤務先から引かれる場合が多いのでさほど問題はありません。
一方、個人事業主やフリーランスは自分で納付しなければならないので注意が必要です。
- 交通違反
過去5年間の交通違反歴が審査されます。
軽微な交通違反(免許証不携帯、シートベルト着用義務違反など)であれば5回程度なら問題ありません。
一方、飲酒運転やひき逃げなど重大な交通違反がある場合は相当期間が経過しないと許可は難しいです。
≫参考:交通違反があると帰化できない?
④生計要件
日本で生活していけるだけの収入を得ていることが必要です。
家族がいる場合は家族が生活していけるだけの収入があるのか。
安定した収入を毎月得ていることが必要です。
目安として毎月20万円以上の収入があれば問題ありません。
➄損失要件
日本国籍を取得したら本国の国籍は失います。
日本は二重国籍を認めていないからです。
帰化したら本国の国籍がなくなることを理解しておいてください。
⑥思想要件
日本を破壊するような危険な思想を持っていない。
テロリストや暴力団員は帰化できないということです。
ほとんどの人は関係ないので、さほど気にする必要はありません。
⑦日本語能力要件
日本語能力を有していることが必要です。
- 日本語を話せる
- 日本語を読める
- 日本語を書ける
10歳程度の日本語能力があるのか。
実力を見るために日本語能力テストが行われることがあります。
日本に住んで長い方はさほど気にする必要はありません。
≫参考:日本語能力テストは難しいの?
次項で帰化申請について見ていきましょう!
帰化申請が大変
日本国籍の取得が難しい理由のもう1つは帰化申請です。
帰化申請が大変なのは膨大な書類を集めることです。
- 本国から取得する書類
- 日本の役所関係で取得する書類
これらの必要書類は100枚を超えることもあります。
- 帰化申請書類一式の作成
帰化申請には申請書類の作成が必要です。
書き方はマニュアルを見ながら作成していきますが簡単ではありません。
担当者に何度も修正されながら仕上げていくのです。
自分1人で帰化申請が難しいなら
上記で解説したとおり帰化申請は100枚以上の書類を揃えて、完璧な申請書を作成しなければなりません。
自分だけで作業をすることが困難なら専門家【行政書士】に依頼をすることもできます。
行政書士は帰化申請に必要な書類収集、申請書類の作成を申請者に代わって行うことができます。
1人では難しい場合、行政書士に依頼することも検討してみてください。
帰化の許可率はどのぐらい?【過去5年のデータ】
帰化申請者 | 許可者 | |
平成28年 | 11,477 | 9,554 |
平成29年 | 11,063 | 10,315 |
平成30年 | 9,942 | 9,074 |
令和元年 | 10,457 | 8,453 |
令和2年 | 8,673 | 9,079 |
法務省のデータによれば帰化申請者の8割~9割が許可されています。
申請者の多くは許可されています。無事に申請が完了すれば、ほぼ許可されることになります。
- 不許可になる理由
申請者の1割~2割は不許可になります。不許可になる理由は公表されませんが次の4つのケースが考えられます。
- 申請書類に虚偽の記載をした
- 申請後に税金・年金の未納、重大な交通違反、犯罪を犯した
- 申請後に法務局から追加書類を求めに応じなかった
- 申請後に重大な変更(結婚、離婚、失業、引っ越し等)があったのに法務局に報告しなかった
不許可になった場合
不許可の場合は法務局から不許可通知が届きます。
不許可通知には不許可の理由が書いてありません。
法務局に問い合わせると教えてくれる場合があるので、まずは不許可理由を聞いてみます。
不許可理由がわかれば解消して再申請しましょう。
帰化申請は不許可になっても再び申請することができます。
まとめ【帰化するのは難しい2つの理由】
日本は帰化が難しい国といわれています。
難しい理由は次の2点です。
- 帰化の条件をすべて満たす必要がある
- 帰化申請が大変
上記をクリアして帰化申請が完了すれば8割~9割は許可されます。
不許可になる理由は次の4つが考えられます。
- 申請書類に虚偽の記載をした
- 申請後に税金・年金の未納、重大な交通違反、犯罪を犯した
- 申請後の追加書類の求めに応じなかった
- 申請後に変更(結婚、離婚、失業、引っ越し等)があったのに報告しなかった
不許可になった場合は不許可理由を解消して再申請しましょう。
帰化に関する記事は下記も参考にしてみてください。